スラムドッグ&ミリオネア ☆☆☆☆ 2009年4月22日
隣のトトロさんに誘われて、久々に映画館に行ってきました。
結婚式・法事・上海と忙しくしていたので、映画ファンの端くれなのに、アカデミー賞も今年はノーチェックのありさま。
この「スラムドッグ ミリオネア」はアカデミー賞で作品賞を含む最多8部門を受賞する快挙を成し遂げた作品とのこと。
なんの予備知識を持たずに観たのですが、これが面白い。
インドが舞台で、誰一人著名な俳優は出てきません。
インドの国民的人気番組“クイズ$ミリオネア”で、スラム出身の貧しい青年が難問をクリアして栄光を勝ち取るというストーリー。
しかし、単純なサクセスストーリーではなく、根底にはインド社会の貧困・宗教問題・貧しさゆえのマフィアの社会の横行・恋愛・兄弟愛などさまざまの問題をクイズの回答とからめながらうまく展開させてます。
メッセージ性を持たせながら、意外にエンタメ性に優れていてかなり面白い作品でした。
見事な作品に仕立て上げた監督は「トレインスポッティング」のダニー・ボイル。
彼らしい、スタイリッシュな映像でした。
この映画、米・英合作ですが、全員インド人なのでインド映画に思えました。
しかし、インド映画って大概ふとっちょのヒーローなんですが、今回はちゃんとした俳優でしたね(笑)
ラストはインド映画お約束のダンスシーンだったので、ちょっと笑えました。
しかし、このダンスシーンは圧巻でした。
インド映画らしさがあり、音楽もよかった。
これは映画ファンは必見ですね。
インドの貧困・格差社会という側面を描いているので、ぜひ多くの人に見てもらいたい気がします。
そして、観ていただいたら、きっと貧しさの中でも逞しく生き、ピュアな気持ちを持ち続けて生きている子供たちがいることも救いとなります。
社会不況の波がおき、混沌としてきた世界であるからこそ「ガンジー」の思想が今またブームを呼んでいると先日テレビで取り上げてました。
宗教暴動の嵐が全土に吹き荒れた時ガンジーは何度も断食し、身を挺してこれを防ごうとしました。
この映画でも、イスラム教徒がヒンズー教徒に襲撃され、主人公も母を殺されます。
この映画はそんな重たいテーマをさらりと入れながら、それでいて人が生きるたくましさを描いているからこそ、胸に響きます。
映画ファンでない方にも、お薦めできる映画です。