天使とキューピッド
2011/01/15 16:16:59
皆様は、「天使とキューピッド」の違いをご存知ですか?
恥ずかしながら、私は区別がわかりませんでした。
今読んでいる「名画の言い分」で、やっと理解できました(今のところ。でも、すぐ忘れそうなので、書いておきますね)
「キューピッドは弓矢を持った天使」と思っている人は多いと思います。
じつは、まったく違う存在なんです。
キューピットは、古代ギリシア時代の神々の1人で、性愛の神様エロスの英語名です。ギリシア名でエロス、ローマ名はクピトまたはアモル。
つまり、キューピッド、エロス、クピト、アモルはみんな同じ神様を指しています。
この神様、一般的には愛と美の女神ヴィーナス(英語名。ギリシア名アフロデッテ、ローマ名ウェヌス)の息子とされてます。
父親は軍神マルスと言われていますが、異説もあります。
キューピッドのアトリビュート(目印)は、愛の標的を射る矢と矢筒です。
さて、このキューピットド、古代ギリシアクラシックの時代には、エロスとして、少年または青年の姿で表現されてました。
ヘレニズム時代になると、翼の生えたかわいらしい子供の姿で表現されました。
ルネッサンス時代、文芸復興で古代の神々が再生された際には、有翼の少年の姿で表現されることもありましたが、17世紀のバロックから18世紀のロココ時代になると、ぽちゃぽちゃした幼児として表現されることが多くなりました。
バロック期の絵画には、ぽちゃぽちゃしたヌードの幼児がよく登場します。
この幼児は、プットー、複数ではプッティといいます。
このプッティ、弓と矢、矢筒を持っていれば明らかにキューピッド。
持っていなければの「お供」のプッティということになります。
天使とは、純粋な精神体で、天上においてはエーテル(天体の世界を構成する原質)で構成されていると考えられています。
つまり、本来は肉体を持たず、姿や形やサイズが決まっているものではありません。ただ、地上においては物質化して人間のように見えるという考え方です。
だから天使は、時代により画家により、女性・少年・青年・および幼児のようにさまざまな姿で表現されてきました。
ですが、本来は、性は存在せず、中性です。
キューピッドと天使のもっともわかりやすい相違は、キューピットは男の子で、天使には性がないところです。
キューピッドはヌードですが、天使はたいてい着衣です。
ところが、性が存在しないにもかかわらず、幼児の姿の天使は男の子っぽく描かれますし、おまけに着衣でないことがあります。
というように、絵は時代によりキューピッドと天使の定義が崩れているのがあります。そうなると、描かれているのが「キューピット」なのか「天使」なのかわかりにくいのも多々あるそうです。
では、どこで見分けるかというと、その絵のテーマや、その絵が飾られている場所で判断するらしいです。
キリスト教教会に飾られている絵画や、聖母の周りにぽちゃぽちゃしたヌードの幼児が描かれていれば、それは必ず天使です。
ギリシアの性愛の神であるエロス・キューピットや、そのお供のプッティが描かれているはずがありません。
それでは、女神と聖母の違いはどこでわかるかというと、女神はヌードで表現されることが多く、その反対に聖母がヌードになることは絶対ありえません。
書いてると、少しわかったような気がしてきました。
でも、すぐ忘れてしまいそう・・・
恥ずかしながら、私は区別がわかりませんでした。
今読んでいる「名画の言い分」で、やっと理解できました(今のところ。でも、すぐ忘れそうなので、書いておきますね)
「キューピッドは弓矢を持った天使」と思っている人は多いと思います。
じつは、まったく違う存在なんです。
キューピットは、古代ギリシア時代の神々の1人で、性愛の神様エロスの英語名です。ギリシア名でエロス、ローマ名はクピトまたはアモル。
つまり、キューピッド、エロス、クピト、アモルはみんな同じ神様を指しています。
この神様、一般的には愛と美の女神ヴィーナス(英語名。ギリシア名アフロデッテ、ローマ名ウェヌス)の息子とされてます。
父親は軍神マルスと言われていますが、異説もあります。
キューピッドのアトリビュート(目印)は、愛の標的を射る矢と矢筒です。
さて、このキューピットド、古代ギリシアクラシックの時代には、エロスとして、少年または青年の姿で表現されてました。
ヘレニズム時代になると、翼の生えたかわいらしい子供の姿で表現されました。
ルネッサンス時代、文芸復興で古代の神々が再生された際には、有翼の少年の姿で表現されることもありましたが、17世紀のバロックから18世紀のロココ時代になると、ぽちゃぽちゃした幼児として表現されることが多くなりました。
バロック期の絵画には、ぽちゃぽちゃしたヌードの幼児がよく登場します。
この幼児は、プットー、複数ではプッティといいます。
このプッティ、弓と矢、矢筒を持っていれば明らかにキューピッド。
持っていなければの「お供」のプッティということになります。
天使とは、純粋な精神体で、天上においてはエーテル(天体の世界を構成する原質)で構成されていると考えられています。
つまり、本来は肉体を持たず、姿や形やサイズが決まっているものではありません。ただ、地上においては物質化して人間のように見えるという考え方です。
だから天使は、時代により画家により、女性・少年・青年・および幼児のようにさまざまな姿で表現されてきました。
ですが、本来は、性は存在せず、中性です。
キューピッドと天使のもっともわかりやすい相違は、キューピットは男の子で、天使には性がないところです。
キューピッドはヌードですが、天使はたいてい着衣です。
ところが、性が存在しないにもかかわらず、幼児の姿の天使は男の子っぽく描かれますし、おまけに着衣でないことがあります。
というように、絵は時代によりキューピッドと天使の定義が崩れているのがあります。そうなると、描かれているのが「キューピット」なのか「天使」なのかわかりにくいのも多々あるそうです。
では、どこで見分けるかというと、その絵のテーマや、その絵が飾られている場所で判断するらしいです。
キリスト教教会に飾られている絵画や、聖母の周りにぽちゃぽちゃしたヌードの幼児が描かれていれば、それは必ず天使です。
ギリシアの性愛の神であるエロス・キューピットや、そのお供のプッティが描かれているはずがありません。
それでは、女神と聖母の違いはどこでわかるかというと、女神はヌードで表現されることが多く、その反対に聖母がヌードになることは絶対ありえません。
書いてると、少しわかったような気がしてきました。
でも、すぐ忘れてしまいそう・・・
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適度な刺激
2011/01/07 17:54:57
息子の同級生のお母さんが下関にいます。
広島にはご主人の転勤でいらしてました。
私が非常勤講師のとき、広島美術館のフリーパス券がいつも手元にあったので「ただなら、行かなきゃ、そんそん」とばかりに、特別展の内容が好きとか嫌いに関係なく、とにかく毎回彼女を誘って見に行ってました。
「あなたのおかげで、絵が好きになったわ」と言ってた彼女ですが、今では私なんかより遥かに美術館好き、絵好きになってます。
久しぶりに長電話で話すと、いろいろ刺激をくれました。
元々、本好きな彼女は、いろんな美術に関する本を読破してます。
最近、韓国ドラマと旅行にうつつを抜かして、全く本を読んでなかった私は、超反省です。
ということで、昨年末に、さっそく彼女お薦めの本を買うんじゃなくて、図書館に予約しました(ケチねぇ~)
5冊予約したうち、古い本が2冊順番がまわってきました。
さっそく、読んでるんですが、なかなか面白い。
硬い西洋美術史を実にわかりやすく面白く書いてあります。
広島にはご主人の転勤でいらしてました。
私が非常勤講師のとき、広島美術館のフリーパス券がいつも手元にあったので「ただなら、行かなきゃ、そんそん」とばかりに、特別展の内容が好きとか嫌いに関係なく、とにかく毎回彼女を誘って見に行ってました。
「あなたのおかげで、絵が好きになったわ」と言ってた彼女ですが、今では私なんかより遥かに美術館好き、絵好きになってます。
久しぶりに長電話で話すと、いろいろ刺激をくれました。
元々、本好きな彼女は、いろんな美術に関する本を読破してます。
最近、韓国ドラマと旅行にうつつを抜かして、全く本を読んでなかった私は、超反省です。
ということで、昨年末に、さっそく彼女お薦めの本を買うんじゃなくて、図書館に予約しました(ケチねぇ~)
5冊予約したうち、古い本が2冊順番がまわってきました。
さっそく、読んでるんですが、なかなか面白い。
硬い西洋美術史を実にわかりやすく面白く書いてあります。
「名画の言い分」という本です。
この木村泰司という西洋美術史家が、ほんと面白い語り口で教えてくれます。
ユーモアのセンスが、私と彼女の「つぼ」です。
彼女が薦める理由がわかりました。
彼女が今回お薦めなのは、木村泰司の「美女たちの西洋美術史」なんだけど、これは新刊なので、予約殺到らしく、まだ順番待ちです。
今年の抱負の一つに「本を読もう」というのがあるんです。
「硬い本を読むと頭は柔らかくなり、柔らかい本を読むと頭は硬くなる」らしいです。
今回の本は、「やや硬め」なんで、良いのは良いのですが、なにせ読んでいる時は「なるほどね~」と思うのに、本を閉じた瞬間から「忘却のかなた」に内容がいっちゃって、全く身になりません。
年とるって、こういうことなんですね。
まあ、焦らずに、いろんな本を読むうちに少しは頭に入るだろうという楽観的観測で読み進めてますが・・・
この木村泰司という西洋美術史家が、ほんと面白い語り口で教えてくれます。
ユーモアのセンスが、私と彼女の「つぼ」です。
彼女が薦める理由がわかりました。
彼女が今回お薦めなのは、木村泰司の「美女たちの西洋美術史」なんだけど、これは新刊なので、予約殺到らしく、まだ順番待ちです。
今年の抱負の一つに「本を読もう」というのがあるんです。
「硬い本を読むと頭は柔らかくなり、柔らかい本を読むと頭は硬くなる」らしいです。
今回の本は、「やや硬め」なんで、良いのは良いのですが、なにせ読んでいる時は「なるほどね~」と思うのに、本を閉じた瞬間から「忘却のかなた」に内容がいっちゃって、全く身になりません。
年とるって、こういうことなんですね。
まあ、焦らずに、いろんな本を読むうちに少しは頭に入るだろうという楽観的観測で読み進めてますが・・・
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